クニちゃん
お酒を飲めない人のことを、なんで「下戸(げこ)」って言うんですか?


酒仙人
今から約1300年前の「大宝律令」という法律の中に、「上戸(じょうご)」「下戸」という言葉が登場するんじゃ。当時、青年男子が8人以上いる家を「大戸(たいこ)」、6〜7人の家を「上戸」、4〜5人なら「中戸」、3人以下なら「下戸」と定められて、徴税の基本とされておった。婚礼の祝いに割り当てられる酒の量も、それによって決まったんじゃ。

現在、酒飲みかどうかを表す「上戸」「下戸」という言葉は、この時代の言葉が基となっておる。「上戸」には「酒をたくさん飲む人」という意味もあるんじゃが、より大酒飲みは「大戸」と言うこともあるのぉ〜。

「泣き上戸」「笑い上戸」の「上戸」という言葉は、ほかの言葉の下に付けて、酒に酔った時に出る癖を表す場合にも使うんじゃよ。

酒飲みのことを「左党」「左利き」と言うのも、酒をめぐる洒落言葉の一つじゃ。大工はノミを左手に持つことが多いから、「ノミ」に「(酒)飲み」をかけて、「左利き」と言えば酒飲みを指すようになったと言われておる。

酔っ払いのことを「とら」と呼ぶこともあるのは知っておるな? これはな、中世の女房詞(※)で「酒」のことを「ササ」と言うておったのじゃが、その「ささ」に「笹」をかけて「笹に虎」の絵を連想するからだという説がある。そのほか、寅の刻(現在の午前4時ごろ)まで酒を飲んでいるからとする説もあるのじゃ。この場合、「酔っ払い」という意味が強いのぉ。

※女房詞(にょうぼうことば)=室町時代初期ごろから宮中の女官たちが使った一種の隠語

◆参考・『日本酒百味百題』監修:小泉武夫(柴田書店)


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