クニちゃん
台所には神様が宿るって聞いたんですが、どういう意味なんですか?



酒仙人
おぉ、良いことを聞いたのぉ。その件は「CHAHANAちゃん」がよく知っておるので、教えてもらおうではないか。それではCHAHANAちゃん、よろしくお願いいたす。

CHAHANAちゃん

こんにちは。またお呼びいただいてうれしいです。それではご説明しますね。

先日、昼食の準備をしていたとき、子どもが「わ、おいしそうだね」と声をかけてくれました。でもその時は、料理がまだ出来上がっていなかったので、なぜ「おいしそう」と言ったのだろうと考えました。
その日は、料理をしている私の体調もよく、食材がきちんと切られ、バットに並べられていました。もしかすると台所に流れている気のようなものが、うまく循環していて、それを感じた子どもが今日の昼食は美味しそうだと言ったのかもしれません。特別インパクトのあるものではなくても、なんとなく身体に染み入るような、リラックスして食べ続けられる美味しさのある家庭料理ができるのはそんな日です。日々、台所仕事が良い循環の中で行われ、自然と滋味溢れる食事を支度できたら豊かだなと思います。

東洋的な視点では五行というものがあります。それは木火土金水という5つのエレメントのことです。台所にも、これらが巡り巡っているようです。昔であれば木を燃やして火をおこします。大地の土から生まれた食材をとってきて、金属由来の包丁を用いて食材を切り、水を使って調理をしたり、洗ったりするわけです。木、火、土、金、水の5つ、全てが滞りなく動く事で、食事が出来上がるのですね。逆にどれか一つでも滞れば、結果は変わってくる事でしょう。

皆さんはどんな台所を使っていらっしゃるでしょうか? どんなちっぽけな台所であっても、私たちの身体を養う食事をつくることができるのは、この場所だと思います。五行をうまく循環させて、身体が喜ぶ食事を自分の手で生み出せることは、人生に自信をもたらせてくれる、と言ったら大袈裟でしょうか。生きて行くための食事を、この手で生み出すことができるという安心感はなににも代え難いものです。忙しい現代社会では、誰もが外食や中食に頼り、台所を手放すことも簡単にできてしまいます。でも今こそ、台所の力を見直す時だと思います。

台所には神様が宿るんだ、という事を何かの本で読んだことがありますが、その時は、ずいぶん大げさな事を言うなあと思いました。神様といっても、宗教の意味ではなく、アニミズム(※)的な考え方ですべてのものには何かが宿っているという意味で書かれていました。
あれから何年たったか忘れてしまいましたが、最近、そのことを思い出し、台所には神様が宿るというのは、台所の循環のことを言うのではないかと思うようになりました。台所の神様が喜んでくださるように、良い巡りを起こしていきたいものです。
※ アニミズム 自然界のあらゆるものには個々に神や霊が宿っているという信仰のこと


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