クニちゃん
料理のとき、ちゃんと切れないと切ない人生になるって、どんな意味なの?



酒仙人
おぉ、まるで謎かけのようじゃのぉ。それについては「CHAHANAちゃん」がよく知っておるので、教えてもらおうではないか。それではCHAHANAちゃん、よろしくお願いするぞよ。

CHAHANAちゃん

こんにちは。またお呼びいただいてうれしいです。それではご説明しますね。

私は料理のお師匠さんから沢山のことを学びましたが、あるとき「ちゃんと切れるようになってね。そうじゃないと切ない人生になるよ」と仰ったのが印象的でした。それにはちゃんと理由がありました。

食事をいただくときに、一番最初に触れる体の部分は舌ですね。赤ん坊を見ればわかるように、人間は最初に舌で外界に接し認識します。また私たちが話すのに欠かせないのも舌ですが、舌で自己表現をするため、舌はアイデンティティそのものなのです。その舌に触れるものがきちんと切れているかということは、口の中で咀嚼されて内臓に入り、しっかり消化されるどうかに、大きく影響します。

私はそれを聞いてから、だいぶ特訓をしました。切るときは全身に余計な力を加えず、重心は下げて、包丁を前後にきちんと動かして、食材をスーッと切るのです。上手にできたかどうかの目安は、切った食材の断面が水々しくて、変に潰れたりしていないかどうか。逆に上から力任せに切ると食材がつぶれてしまい、断面は乾き、見た目にも残念な感じになります。食べ比べると、スーッと切れた方は甘くて水々しい。もう一方は、食感がグチャっとして少しだけ苦い感じです。判断は舌が喜ぶかどうか、誰にでもわかる簡単な実験です。毎日の食事で積み重ねれば、体に与える影響は大きく違うでしょう。きちんと切れていないものを食べ続けたら切ない人生になってしまうというのも、あながち嘘ではないなと思いました。

現代の台所には沢山の道具があります。野菜のみじん切りができるカッターや、ジューサー、スティック状のミキシングマシーン、などなど。調理家電もAIが搭載されるなどして、料理が簡単に作れるようになっています。私も便利なグッズを買うこともありますし、日々の料理の負担を減らすことは大賛成です。

でも忘れないでいたいのが「ケの日晴れの日」の区切り。日常的な日々、つまりケの日では、少々荒削りでも包丁で切ったものを調理して食べると感じられる微細な甘さや、ホッとする気持ちを大切にしたいものです。ケの日をしっかりと味わい、体を養って、時々訪れる晴れの日には、調理家電もフル稼働して、いつもより1品も2品も多く豪華に、豊かな食卓を楽しめればよいなぁと思います。

まずは、お手持ちの包丁がよく切れるかご確認を! シャープナーを使って研ぐのも良いのですが、昔ながらの研ぎ石を使えば、どんな包丁でも切れるようになります。切ること、あなどるなかれ。合言葉は「力を加えずにスーッと切る」です。マイ包丁を手に、今夜の料理をしてみてはいかがでしょうか?


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