50年に一度の猛暑が日本列島を襲った2018年の夏。その暑さもようやくおさまりかけた9月17日(月祝)、晴天のもと、神戸港にほど近い「神戸サンボーホール」にて、「日本酒LOVERS神戸2018」が開催されました。

会場には過去最高の48蔵元が参加、3000円の前売りチケットも1150枚が完売です。お客さまは、12:00~16:00までの4時間、すべての蔵元の地酒が試飲し放題です。

イベントの開始時刻は12:00。今年の7月に女唎酒師軍団に入れていただいたばかりでイベント初参加の私は、少し早めの10:45に会場入り。初めての会場で、入り口がわからずウロウロしていると、正面玄関付近にすでに30人ほどの行列ができていました。この日、私のアテンドをしてくださった軍団の頼れる先輩、尾崎和美さんに聞くと「人気の蔵には、イベントスタート前から行列ができるし、料理も人気の品は完売してしまうから、みなさん早めに並ぶんですよ。」とのこと。スタート前から、お客さまの熱気に驚きます。

会場に入るとフードの協力店は準備の真っ最中。寿司を握ったり、お惣菜を並べたりと大忙しです。

会場の隣には、テーブルが並べられて立食で試飲のお酒を飲んだり、購入した料理を食べたりできる休憩スペースがあるのですが、その前方には各蔵の「仕込み水」がズラリと並べられていて、圧巻です。酒瓶にはだいたい、蔵の名前や、酒のラベルとともに「〇〇山系伏流水」「仕込水」などと書かれているのですが、石川の遊穂さんの一升瓶のラベルには「呑んだら 飲んでね 仕込み水 遊穂」と大きく書いてあります。「お客さまが悪酔いしませんように」という、蔵元さんの優しい心配りが伝わってきます。尾崎さんに聞くと「仕込み水にも、地下水や伏流水などいろいろな味わいがあるから、それを飲み比べるのを楽しみにしているお客さまもいらっしゃるのよ」とのこと。実際、イベントが始まってしばらくしてお酒が回り始めると、仕込み水コーナーはお客さまでいっぱいに。みなさん、小さなペットボトルに仕込み水を汲んで、飲んではまた、お酒を飲んで・・・と、チェイサー代わりに飲んでいらっしゃいました。イベント終了間際には、仕込み水もほぼ完売状態でした。

このイベントのシステムは、3000円の前売りチケットを購入していただいたお客さまに、会場入り口の受付でチケットと引き換えにオリジナルのグラスをお渡しします。このグラスで、何杯でも各蔵のお酒が飲み放題となります。今回、私がお手伝いしたのは、初出店の山口県「中島屋酒造店」。酒の銘柄は「カネナカ」と「中島屋」です。定番の生もと純米のほかに、今日は「純米にごり」を冷やと燗で提供しました。トロッとしながらも甘すぎず、お米の味がしっかりするにごり酒は希少で、お客さまにも大好評。終了1時間半前には完売となりました。「中島屋酒造店」さんは、広島県でも周南市なので、この夏の豪雨の被害はさほどなかったそうです。しかし、広島県全体では深刻な被害を受けた場所も多く、日本酒の売り上げもさることながら、飲食店の方が影響は深刻だと話されていました。確かに自宅に被害があったり、避難所生活では、飲みに行くどころではありません。被害に遭われた方には心からお見舞い申し上げるとともに、一日も早い回復と復興をお祈りしたいと思います。

さて今回、フード協力店としては中央区中山手通「いたぎ家」、灘区「たまいち」、明石市「鮨和」、東灘区「フランス地方料理MOMOKA」さんの4軒が出店されていました。「南高梅ポテサラ」「かぼちゃの炊いたん」「握りずしには鯛」…関西らしい、メニューが並びます。
少し変わっていたのは、フランス料理のおそうざいということで、ジビエが供されていたことです。

「鹿肉と小芋のチーズ焼き」「猪ラタトゥイユ」「鹿肉のテリーヌ」「放牧但馬牛のローストビーフ」などなど、種類もたくさん。私もジビエと日本酒のマリアージュに興味があって、買って食べてみましたが、香辛料を上手に使ったジビエは野性味あふれる美味しさで、日本酒にピッタリでした。また、姫路駅のご当地グルメの「えきそば」も出店。こちらは薄口醤油でダシのきいた関西風のうどんダシに、黄色い中華麺を入れてかき揚げとネギをトッピングしたもの。戦後の昭和24年ごろから姫路駅のホームで供されてきたメニューです。今回、スタッフの昼食に、このえきそばがふるまわれました。時間が経つごとに、お客さまも盛り上がってこられ、「辛口はどちらですか?」「香りがいいお酒を飲みたいのだけれど」といった質問のほかに「このにごりの燗が美味しかったから、もう一杯」といったリピーターの方もいらっしゃいました。食欲も増し、大いに盛り上がりましたが、蔵元さまご提供の仕込み水の威力か、悪酔いするお客さまもおらず、16:00にはスムーズにイベントは盛況のもとに終了しました。

皆で協力して後片付けをささっと終わらせた後は、神戸・三宮のニューミュンヘン神戸大使館店で、蔵元さんやスタッフ参加の打ち上げに参加させていただきました。
料理は、名物の「丹波地鶏のから揚げ」がアツアツで絶品。平麺の「上海風焼きそば」も美味でした。ビールで乾杯した後、イベント残りの各蔵の地酒を20種類程度、テイスティングさせていただきました。とても楽しく、充実したイベントでした。私は、今回初参加でしたが日本酒Lovers神戸は、リピーターのお客さまも多いとのこと。また来年も、お客さまみなさんと美味しい料理と地酒を楽しむことができますように、またのお越しを楽しみにしております。

レポート:ライター 宮川綾子