日本酒のタイプ分類 -日本酒 知る・学ぶ-


「気軽に日本酒を楽しみたい」、「日本酒と食事を楽しみたい」という大半の消費者に、日本酒の醸造法や法律について詳しく説明しても効果がないのは周知のことであり、かといってアドバイスの1つもなく、消費者まかせでは、ラベルを見ても中身の分かりにくい日本酒のこと、ワインやほかの酒に移行などということもありがちな話です。
味わいを語るにしても、現状のように辛口か甘口、淡麗か濃醇だけの表現では、奥の深い日本酒の魅力を伝えきることはできません。
よって、もっと消費者にとって分かりやすい香味の分類が必要になり、SSIでは20,000種類以上の日本酒のテイスティングを行い、香りと味わいの組み合わせで、日本酒は大きく4つに分類できることを検証しました。これが日本酒の4タイプ分類になります。


フルーティーフレーバーは海外でも人気
果実や花の様な華やかな香りが高く、軽快で爽やかな味わいが特徴です。甘い風味を感じさせるものから辛口のものまで、様々なタイプが存在します。

黄金色に輝く日本酒。本当の酒通が認める貴重品
ドライフルーツやスパイスなどの複雑性のある練れた熟成香を持ち、とろりとした甘味や深い酸味、ボリューム感のある旨味が合わさった力強い味わいが特徴です。

淡麗辛口テイストで誰にでも好かれる万能選手
香りは全体的に控えめですが、新鮮で清涼感のある含み香を持ち、なめらかでみずみずしい味わいが特徴です。

まさに原点。伝統的かつ王道をいく日本酒
原料の米そのものを思わせるようなふくよかな香りと、充実した旨味を感じさせるコクのある味わいが特徴です。

日本酒のサービス温度の表現方法

日本酒の提供(飲用)温度に対する表現は実にさまざま存在します。例えば、冷蔵庫の無い時代は、燗酒以外を「冷や」と呼んでいたので、その時代の「冷や」とは冬場は5°C位、夏場は20°C位でした。しかし、現在では冷蔵庫で冷やした10°C前後の温度を「冷や」、あるいは「冷酒」とも呼んだりします。いっぽう、冷蔵庫で冷やした温度を「冷酒」と呼び、そうでは無い常温のものを「冷や」と呼ぶこともあります。


4タイプ別の適した飲用温度例

日本酒の個性を生かすために非常な大きな要素になるのが温度設定です。 日本酒は他の酒類と比較すると、飲用温度帯の幅の広さが持ち味ですが、それでも4タイプ別に適した温度設定を提案すれば、より質の高い提案ができるでしょう。


適した飲用温度:10°C前後(8 〜15°C)

清涼感のある香味が特徴的で、冷やすことによって爽快さが映えます。しかし、あまり冷やしすぎると持ち味である華やかな香りが感じにくくなったり、酸味や苦味などの刺激要素が突出したりする場合があるので注意が必要です。
香りが控えめで旨味成分が割としっかりしたタイプなら、ぬる燗も可能です。

適した飲用温度:5 〜10°C等
爽快な酒質と爽涼な飲み口、フレッシュな味わいが特徴的なこのタイプは、しっかりと冷やすことで特性が生きます。また、味わいの成分中に苦味や酸味などの刺激的な要素が少ないため、冷やしすぎてもこれらの要素が突出することがありません。
このタイプの中で熱燗に向くタイプも存在します。

適した飲用温度:15 〜20°Cまたは40 〜55°C
飲用温度帯が最も広く、飲用温度の違いによって様々な変化を見せるタイプです。コクと旨味成分をしっかり持っているので、この要素を生かすことがポイントに。旨味のふくらみが映えるやや高めの温度設定が好ましいでしょう。

適した飲用温度:15 〜25°C または 35°C前後
軽快なものから重厚なものまで様々で、温度設定はそれぞれ異なります。重厚な旨味成分を持つものほど高めの温度設定と考えればよいでしょう。また 大きく嗜好が分かれる傾向が見られるので、好まれる方には高めの温度帯で、そうでない方には低めの温度帯で、強い香りと旨味を抑えて飲みやすくする工夫が必要な場合があるでしょう。

4タイプ別 適した酒器


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香りが生きるように、上に広がったラッパ形状か、ワイングラスのように中にこもるような形状がふさわしいでしょう。飲み口の繊細なタイプは、薄手の形状がよりふさわしくなります。

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スパイスやドライフルーツのような凝縮感を生かすなら、香りがこもるブランデーグラスなどが好ましいでしょう。また美しい色調を生かすことも大切で、透明やカットの入ったグラス、内側が金塗りの漆器などの演出も効果的。


冷やして飲用することが多いので、飲み切りサイズがふさわしくなります。酒質のイメージに合わせて、涼しげな装飾の酒器や、温度が上がりにくい材質を使用した酒器がより好ましいでしょう。


最も日本酒らしい米の風味が生きた旨口テイストで、じっくり嗜むことを考えると、和の酒器が好ましいでしょう。地ものの焼き物などにこだわった雰囲気を創り出すと、麗しい風情が演出できます。

4タイプ別 相性の良い料理の一例


食前酒的飲用に適します。相性の良い料理として、「軽快な旨味を持つもの」、「清涼な風味を持つもの」、「素材自体に自然で柔らかな甘味を持つもの」、「シンプルな味付けのもの」などが挙げられます。また果実のような香りに合わせ、柑橘系の果実を添える料理、また果実 そのものを使用した料理とも好相性を示します。

芳醇な味わいの熟酒は食後酒にも適します。非常に個性的で力強い味わいを持つために料理を選ぶ傾向にありますが、他のタイプでは合わせられないような「風味の強い料理」、「油脂成分の多い料理」や「深く煮つめたり、焦げ味を付けた調理法のもの」、「スパイス、ナッツ、ヨード、黒糖などを使用した料理」などと好相性を示します。


シンプルで軽快な味わいを持つこのタイプは、料理との相性の幅は非常に広くなります。特に「軽快な旨味をもった料理」、「淡い味付けの料理」、「爽やかな味わいの料理」と好相性を示します。特に淡白な素材を前面に活かしたものや、清涼感あふれる風味を持つものと合わせると、双方の爽やかさが生きてきます。


ふくよかな香りとコクのある味わいで、まさに食中酒として最適のタイプです。特に濃厚な料理との相性は抜群です。アクの強い食材、発酵食品などの強い風味の料理にも負けない力強い酒質を持つこと、含み香に乳製品を思わせるクリーミーな香りを持つことから、生クリームやバターを使用した洋食系の料理とも好相性を見せます。


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