焼酎のタイプ分類 -焼酎 知る・学ぶ-


焼酎を勧める際に、蒸留方法や原料の違い、または酒税法上の用語など、専門的な区分けで説明しても納得してもらえるとは思えません。なぜなら、これらの用語は、焼酎の造り方や法律上の見解であり、一般消費者が求めるものではないからです。
焼酎の4タイプ分類は、焼酎の知識がない一般消費者が、好みの焼酎を選択しやすくするためと、それぞれの焼酎の個性を活かした飲み方を知るためのツールになります。
今まで焼酎を敬遠してきた方や、焼酎を飲んだことがないという方に対して、有効なアプローチとなると共に、いつも焼酎を同じ飲み方をしている方に対して、焼酎をタイプごとに飲みわける楽しさを知っていただく手段として活用頂きたいと思います。


 香りの華やかさ、爽やかさが特徴で、味わいは軽快なものが多く、「清涼な香り」がキーワードになります。近年人気の高まっているタイプで、原料問わず、さまざまな商品が開発されています。

 非常に重厚な香味が特徴のタイプ。特別な製法により造られたもの、熟成させたもの、樫樽で貯蔵させたような商品が該当します。キーワードは「個性的」な香味。

 最も軽快な香味が特徴です。飲み方を選ばない汎用性の高さが持ち味で、「スッキリ感」がキーワードになります。市場で最も消費量の多いタイプになります。

 最も味わい深いタイプ。「コク」がキーワードになります。特に九州各地域における伝統的な製造方法を取られたものに多くみられ、それぞれの飲酒文化を反映させた提供が基本となります。

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商品名例 ジャンル 特徴的な要素
鳥飼 リンゴやバナナのような華やかな香味
鍛高譚 シソ シソの爽やかな香味
れんと 黒糖 黒糖由来の甘く、華やかな香味
薩摩宝山 スウィートポテト、オレンジのような華やかな香味

適した季節 華やかな香りと清涼感は、春から初夏にかけて、美味しく感じられる
割り方 オンザロック、水割りなど
酒 器
ロックグラス、ラッパ型のグラス、ワイングラス系など
料 理
華イタリアン前菜、野菜料理、淡白な和食など
適した提供方法
華やかな香りが十分に感じられるような器で提供することが大切。また、爽やかで軽快な味わいを活かすためには、冷たい温度帯で提供する方がよい(ただし、8°C以下に設定すると、香りが感じられなくなるので注意)。料理は、香りの高いものと合わせると、双方の清涼感が楽しめる。
勧め方
フレーバータイプを好む女性層や、いわゆる「焼酎は臭い」と偏見のあるビギナーにお勧めできる。人気商品も多く、注目度の高いタイプでもある。日本料理だけでなく、西洋風の料理にも合わせやすいので、ニュータイプの焼酎として勧めるとよい。また、1杯目の焼酎になりうるので、前菜と共に勧めるとよい。

商品名例 ジャンル 特徴的な要素
甲類焼酎
甲類
最もシンプルな香味
混和焼酎 混和 ややシンプルな香味
いいちこ 軽快でスッキリした香味
白岳しろ 軽快でスッキリした香味
ラ・トマト トマト 軽快でスッキリした香味
雲海 ソバ 軽快でスッキリした香味
軽快でスッキリした香味

適した季節 ニーズの高い香味なので、通年提供できるが、特に夏がお勧め
割り方 各種カクテル、水割り、ソーダ割り、お湯割りなどさまざま
酒 器
特に選ばない
料 理
特に選ばない 

適した提供方法
相手の好みに合わせていかようにでも提供できる(どちらかというと、冷たくして飲む場合が多い)。酒器も特に選ばないが、薄手のグラスの方が、飲み口をよりスッキリと楽しめる。料理との相性を問わないマルチな食中酒であることも大きなポイントに。
勧め方
九州、沖縄など本場における焼酎通以外の方には、無難に提供できるマルチタイプ気軽な雰囲気の中で、好きに飲用して貰うのが最もふさわしい勧め方に。

商品名例 ジャンル 特徴的な要素
帰山 ソバ ややコクのある香味
さつま白波 芋のふくよかな香り。ややコクのある味わい
海人の風 泡盛 米麹由来のふくよかな香り。ややコクのある味わい
山乃守 複雑で豊かな香りと、コクのある味わい
さつま大海 芋のふくよかな香り。コクのある味わい
球磨の泉 米由来のふくよかな香り。コクのある味わい
久米島の久米仙 泡盛 米麹由来の重厚な香味
久米島の久米仙43°
泡盛 米麹由来の非常に重厚な香気。高いアルコール感

適した季節 濃醇な香味は、秋冬に旬を迎える脂ののった食材に合うこと、お湯割りなど温かくして飲むことが多いことから秋、冬にお勧めできる。
割り方 お湯割り、ストレート、オンザロックなど
酒 器
九州各地の伝統的な酒器など
料 理
九州各地の郷土料理、中国料理、発酵食品(肴系)など 
適した提供方法
特にお湯割りによる提供を中心に考える(オンザロックを好むなら、別のタイプを勧めるとよい※泡盛以外)。昔ながらの製法で造られたものが多いので、酒器も料理も伝統的な演出がポイントになる(黒千代香と、さつま揚げ。琉球グラスと豆腐ようなど)。
勧め方
いわゆる焼酎好きにとっての王道タイプ。焼酎の醍醐味を満喫するような提供にてリピートさせることが大切。本場九州らしい演出が基本になります。濃醇な香味は、中国料理やエスニック料理などにも好相性を示すので、さまざまな提案も可能です。

商品名例

ジャンル

特徴的な要素
紅乙女 ゴマ 炒ったゴマのような香ばしい香味
龍宮 黒糖 黒糖、米麹由来の複雑な香味
兼八 焦がした麦、カカオのような甘く香ばしい香味
久米島の久米仙 古酒 泡盛 スパイス、ドライフルーツ、干したキノコのような熟成由来の複雑な香味
百年の孤独 琥珀の色調。バニラ、アーモンドなど樫樽由来の重厚な香味。

適した季節 個性的な香味なので季節を選ばないが、特に冬のように、室内でじっくり味わいたいシーンにお勧めできる。
割り方 オンザロック、ストレートなど
酒 器
ロックグラスなど
料 理
バーベキュー、熟成した生ハム、スパイシー料理、チョコレートなど
適した提供方法
香ばしさ、熟成感、樽香などの重厚な香りを活かすことが肝要。非常に個性が強いので少量をたしなむような提案が好ましい。高級感のある酒器にて付加価値を高めること、料理もそれぞれの香りの特性に同調させるなどピンポイントなマッチング提案が求められる。
勧め方
焼酎を飲みつくしたというような相当な焼酎通か、従来の焼酎通とは別のターゲットに勧めるべきタイプ。ゴマ焼酎など香ばしい香りが持ち味のものは、炭火焼業態などにもお勧めできる。また、最期を締める食後酒としてもふさわしい特性を持つ。

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