焼酎の原料について -焼酎 知る・学ぶ-


主な焼酎の原料(二次仕込みの原料)について

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さつまいもはアサガオの仲間(ヒルガオ科)で、原産地は中南米です。 やせた土地でも栽培でき、太陽のエネルギーをデンプンに変えてエネルギーを蓄える能力は随一とされます。
休眠をしない青果で、貯蔵が難しいという特性を持ち、傷を受けると抗菌作用の高い物質を分泌し、負傷部位をコルク質で覆ってしまいます。この物質が出来上がりの焼酎に苦味、臭みを生じさせるので、焼酎造りでは芋の傷み部位が入らないよう、細心の注意が払われます。
また低温障害を受けた芋を使用しても原料痛み臭、腐敗臭という劣化が生じますので、焼酎用のさつまいもは掘りたてで、傷や低温障害のないものが要求されます。

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黄金千貫(コガネセンガン)

国内で流通するさつま芋は40 種類ほどある中で、最も代表的な品種といわれるのがこの黄金千貫です。中身が白く、多収で美味という大きなメリットがあります。また、栗を思わせる上品な香味も特徴です。ただし、日持ちしないので、収穫後は素早く蔵に運ばなくてはなりません。
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ジョイホワイト

蒸しても甘くならない(糖化酵素欠損)ので仕込んだ直後の発酵は比較的穏やかなのが特徴です。また柑橘系の香気成分含量が多く、フルーティな焼酎になるともいわれます。デンプン質が多いですが、収穫性にやや劣ります。初めて横文字で命名された品種でもあります。

ベニハヤト

人参のような色の果肉を持つのは、人参の黄色い色素と同じβ―カロチンを含むからです。ベニハヤトを使用すると、素直に人参のような香りがする焼酎が出来上がります。甘味が強く、食味が良いとされていますが、やや水分が多く、デンプン質が少ないのが特徴です。

紫系さつまいも

この品種を使用した焼酎にはヨーグルトのような甘酸っぱい香りが発現することが特徴です。
アントシアニン色素に富むので機能性食品としても期待されており、種子島紫、沖縄紫、山川紫、アヤムラサキなどとさまざまな種類が存在します。焼酎のモロミはクエン酸で酸性になっているため紫芋仕込みのモロミはきれいな赤紫になりますが、この色素は揮発しないので、蒸留した原酒が紫色になることはありません。

ほかにも甘味が強く、食味が良い。さらに成長も早く、収穫量も多いベニアズマ、形が揃っており、貯蔵性も高く、調理による変色も少ないので青果用に適性といわれるベニサツマなどがあります。


一般的に焼酎用に用いられる麦は大麦であり、特に粒の大きな二条大麦(上)が好まれます。麦は栄養素が多く、温度が上がりやすいので、製造コントロールが難しく、一般的に60~65%に精麦(せいばく、下)されます。
また、麦は水を吸うと膨張して大きくなる性質があり、例えばバケツに水を入れて浸けておくと麦が膨らみ、逆さにしてもバケツから出て来ない程に固まってしまいます。
麦焼酎造りではこのような性質にも気をつけながら蒸麦にしていきます。製麹でも麹の菌糸が麦粒同士をつないで固まりになりやすいので、手入のタイミングにも注意を払います。

麦焼酎には米麹と蒸麦と使用するもの(壱岐の麦焼酎)と、麦麹に蒸麦を使用するものとがあります。
麦焼酎用には外麦(がいばく)と呼ばれる海外産の麦(主にオーストラリア産)が使用されますが、内麦(ないばく)と呼ばれる国産麦を使用する銘柄も存在します。
また、伊豆諸島で造られる芋焼酎の麹には、麦が使用される場合もあります。

黒糖

黒糖とは、奄美大島の特産品であるサトウキビを原料とし、その搾り汁を煮詰めたものを指します。サトウキビの収穫は糖分が最も高くなる毎年2月ごろから開始されます。原料に使われる黒糖は、奄美大島産を中心に沖縄産や、外国産のものも使用しています。
白砂糖と比較するとビタミンや無機質が非常に多く、タンパク質も含まれているアルカリ性食品で、品質、糖度によって、特等、1等、2等、3等、等外に分類されます。黒糖焼酎に使用される黒糖は、特等、一等の原料が使用され、中でも新糖が良いとされます。

黒糖は、釜にお湯と黒糖を入れ、煮沸溶解させた糖液を放冷して使用する方法が一般的です。この方法は黒糖の加熱殺菌も兼ねており、発酵中の安全性を高めることができますが、煮沸中に黒糖の甘い香り成分の一部が揮散する可能性があるので、甘い香りを濃く出す目的で、黒糖を細かく粉砕して仕込む方法も行われるようになりました。

蕎麦

蕎麦はタデ科の一年生植物で硬い殻に覆われた種子が特徴です。焼酎の原料とする場合は、その硬い殻を外し、ひき割り加工されたものを使用します。蕎麦は水分含有率が高くなりやすく、麹を造るには難しい原料の一つですが、最近蕎麦麹に蕎麦を使用した蕎麦100%の焼酎も商品化されています。産地としては、宮崎の高千穂や信州(長野)、北海道が有名ですが、原料入手先は、国内外問いません。なお、一般的には寒冷地の蕎麦が高品質だとされています。

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