焼酎の美味しい飲み方 -焼酎 知る・学ぶ-


酒類と酒器の関係

お酒に合った適切な酒器を選ぶことは、お酒の特性を引き出す上で重要な要素です。ここでは、酒器の形状について、考慮に入れるべき要素について考えてみましょう。
1.空気との触れ合い方
酸化によるエステル類、香りの成分の活性化と沈滞化は、器に注がれたお酒の液面の広い、狭いに左右されます。お酒の表面積が増えると、酸化の速度と芳香成分の揮発量が上がります。
2.温度変化の速度
不必要に大きな器に少量の酒を注ぐと温度変化が急激に起こります。反対に過小な器の場合にも同様のことが起こります。適切な容量を見極めましょう。
3.器の形状
器の全体量、これに対して最適の量(必要量)のお酒を注いだときの最大表面積と、液面から飲み口(開口部)までの距離(高さ)、開口部の径、器壁面の傾斜度の違いにより、外部からの空気の流入量、酸化速度と香りの集中度、お酒が舌先部へ落下した際の位置と量の差が生じます。

九州各地の伝統的な酒器

九州各県には、伝統的に使用されてきたさまざまな酒器が存在します。これらの酒器の形は歴史と伝統で培われ、地元で産出される焼酎の特性を引き出します。これを使用することで、サービス、提供、セールスプロモーションへと効果的につながってきます。 

熊本県

ソラキュウ
コマのように底の部分がとがっており、酒を飲み干さなければ下に置けないという盃で、攻め盃の一種です。底の部分に穴をあけた物もあり、「ソラッ」と差し出されたお酒を「キュッ」と飲み干すことから、この名前が付けられました。

ガラとチョク
球磨地方ではアルコール度数の強い球磨焼酎を直燗用の「ガラ」という陶器製の酒器に入れ、直接囲炉裏端や火鉢にかけて燗をし、「チョク」という小ぶりの盃で飲む習慣がありました。「チョク」が小ぶりな理由は、献杯返杯を繰り返し飲む風習のある宴席で焼酎の量を控えるためだともいわれています。

鹿児島県

千代香(ちょか)
芋焼酎のお燗といえば、チョカと呼ぶほどポピュラーな酒器。黒千代香、白千代香があります。水洗いはせず、使い込む度に焼酎がしみ込み、水を入れて温めただけでも焼酎の香味がするように使い込むのが鹿児島風の楽しみ方。形状のモチーフは、桜島といわれています。
薩摩切子
クリスタルガラス製のグラスで、鮮やかな色彩と、繊細なカットが魅力です(一脚、数万円もする非常に高価な製品が多い)。

沖縄県

抱瓶(ダチビン)
型がとてもユニークで、上から見ると三日月型をしています。その昔、農夫たちが農作業に行く際に携帯したものであり、内側がちょうど腰にフィットするように作られています。
カラカラ
沖縄生まれの酒器で、とある酒好きのお坊さんが供え餅からヒントを得て、倒れにくい徳利をということで考えられました。語源は、泡盛が残っているかを確認するために器を振ると、中に入っている玉が転がり、カラカラと音がするからです。
琉球ガラス
琉球ガラスとは、戦後に米軍がもたらした大量の飲み物の廃瓶を利用して作った色鮮やかなグラスのことです。ぐい呑や水割り用グラス、酒瓶(ボトル)なども作られています。廃瓶を使用することで、不純物が混じり、気泡が入ることが、琉球ガラスの特徴です。
嘉瓶(ゆしびん)
ひょうたんに似た独特の形をした瓶で、結婚式等の祝事の際に泡盛の容器として使われています。中には、士族階級で使用され家紋の入ったものもあります。その訳は、お祝儀として泡盛だけを納め、贈り主に返ってくるときの目印になるためです。「嘉瓶(ゆしびん)」の呼び名はカリユシ(めでたい事、縁起が良い事)に由来します。

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