焼酎の表示方法 -焼酎 知る・学ぶ-


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焼酎のラベルには、商品の銘柄や産地名、原材料名など、多くの情報が表示されています。それらの表示は、さまざまな法律や基準に沿って表示されているた め、一見分かりやすいと思われる情報でも、その表記条件を正しく知っていないと、正しい意味が理解されない場合があります。ここでは、最初に代表的なラベ ル例を説明した後、それぞれの法律、基準に照らし合わせた表示を解説していきます。


焼酎のラベル表示に関わる法律・基準

焼酎はさまざまな種類、法律・基準が非常に複雑に絡んでいます。焼酎のラベル表示を理解するために5つの法律・基準を理解することをポイントとします。

焼酎のラベルを見る5つの法律・基準

区 分 項 目 内 容
1.酒税法 酒類を定義
2.酒類業組合法 焼酎の名称、基本的な義務表示事項、任意表示事項、地理的表示など
3.表示に関する公正競争規約 不当表示の規制、冠表示、原材料表示、特定用語
4.自主基準 各地域の酒造組合や業界が独自に定める表示基準
5.その他の表示規定 認定・認証マークや樽貯蔵など

本格焼酎(泡盛以外)の例

本格焼酎表記

単式蒸留機で蒸留させ、アルコール45 度以下にしたものは、「酒造業組合法」や「単式蒸留焼酎の公正競争規約」の任意表示規定で、「本格焼酎」や「ホワイトリカー2」「焼酎乙類」などの表示が認められています。

冠表示

原料名を冠した焼酎名を「冠表示」と呼び公正競争規約に規定されています。特定の原材料の使用を強調するもので、一番多く使われた原料名を冠します。ただし、原料の割合が一番多くなくても、少量の使用でその成分の特徴が現れる場合、使用割合が併記されていれば、それを冠表示にすることができます(麦60%、米麹25%、蕎麦15%の構成でも表示で「麦、米麹、蕎麦(15%)」とあれば、蕎麦焼酎と表示可)。

地理的表示

産地の表示のうち、「薩摩」「壱岐」「球磨」「琉球」の4 産地名は、世界貿易機関のTRIPS(トリプス)協定(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)という知的財産を守る国際協定に基づき、日本が定めた「地理的表示に関する表示基準」 の中で、国税庁長官が指定告示する「ぶどう酒及び蒸留酒の産地の指定告示」で保護されている産地です。(後記参照)

特定用語

公正競争規約による表示規定により以下のような表示が定められています。
●原酒:蒸留後に水、添加物を一切加えず、且つ、アルコールが36%以上のもの。
●長期貯蔵:3 年間以上貯蔵したものが、ブレンド後の総量の50%以上を占めるもの。
●樫樽貯蔵:樫樽に貯蔵し、その特徴を有するもの
●手造り:麹蓋を用いて、自然換気保温室で自然の換気、通気と手入れ攪拌によって製造した麹によって造られた単式蒸留焼酎。
●本場、○○特産、○○名産:表示したい地域で蒸留し、尚且つ容器詰めされたもの。

本格焼酎に関わるその他の表示について

地方の酒造組合や都道府県などが独自に、食品などの品質が基準に合格したことを示す、認定マークというものがあります。ここでは、焼酎に関する主なものを解説します。

南薩摩本格いも焼酎マーク

近年の芋焼酎供給不足から、原料のさつまいもの産地を明確化しようという要請で誕生したもので、鹿児島県産サツマイモ100%を使用し、県内の水で仕込み南薩摩で単式蒸留機で蒸留し容器詰めした焼酎であることを示すマークです。

Eマーク

「ふるさと認証食品マーク」とも呼ばれるもので、県産原材料の良さを生かした特産品に対し、都道府県庁の地域特産品認証事業にて品質などの認定基準を策定し、基準に適合するものに認証マーク(E マーク)の表示を付すものです。
鹿児島県では、芋焼酎をはじめ、さつまあげ、黒糖、天然つぼづくり米酢、山川漬などに認証基準があります。
なお、次の頭文字のE3 つからとったものです。
●Excellent Quality(優れた品質)
●Exact Expression(正確な表示)
●Harmony with Ecology(環境と調和)

地地理的表示の表示基準の1つ「薩摩」を示す認定マーク

鹿児島県酒造組合が2007年に認定マークを制定。
琉球、球磨、壱岐、薩摩といった地理的表示に関する表示基準の産地名については、後記参照。

奄美黒糖焼酎ロゴマーク

黒糖焼酎の製造は、酒税法で奄美群島だけに認められており、平成20年に商標登録されました。これにより「奄美黒糖焼酎」というブランド名は、奄美諸島で造られる黒糖焼酎以外では使えなくなりました。

長野県原産地呼称管理委員会認定マーク

長野県では、信州農産物のブランド確立等を図ることを目的として、平成14 年に「長野県原産地呼称管理制度」を創設し、平成16年度に焼酎の制度を開始しました。 原料および製造も全て長野県内のものと指定されており、かつ産地の特徴、個性がよく生かされているもののみに認定されます。これによって認定されたブランド品には、長野県原産地呼称管理委員会認定マークが付与されると共に、長野県原産地呼称管理制度による表示事項が記載されます。

本格焼酎(泡盛)の例

古酒の概念が強い泡盛の表記は、ほかの本格焼酎の例と少し異なります。泡盛独自の規則などが絡んできますので、泡盛以外の本格焼酎との違いを認識しましょう。
泡盛の表記について
泡盛のラベル表記は、「泡盛の表示に関する公正競争規約」で、泡盛の定義と表示について定められています。泡盛は沖縄で造らなければならないと限定されていないため、沖縄で造った泡盛を「本場泡盛」と表示しています。「琉球」という産地名の表記となると、その産地にて蒸留し製造したものに限ります。さらに「琉球」が、地理的表示に関する表示基準により、国際的に認知された原産地のため、現在ではむしろ、「琉球泡盛」という表示が主流です。
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古酒の表記につい

平成25年10月10日に「泡盛の表示に関する公正競争規約」の一部改正が行われ、平成27年8月1日より「古酒」表示基準が以下の通りに変更されました。
表示項目 新基準 具体例
古酒表示について
全量が3年以上貯蔵させた泡盛にのみ「古酒」表示が可能。
3年以上貯蔵させた泡盛が、ブレンド後の比率において50%を超えていれば「古酒」表示が可能。
年数表示について
当該年数以上貯蔵したものだけが貯蔵年数表示が可能(例えば、「5年古酒」と表記するならば、5年以上貯蔵したものが全量でなければならない)。
例えば、5年以上貯蔵させた泡盛が、ブレンド後の比率において50%を超えていれば「5年古酒」の表示が可能。
混和酒について
古酒が10%以上混和され、かつ混和割合が示されたものに「混和酒」表示が可能(古酒15%、一般酒85%など)。
古酒を10%以上混和したものは「混和酒」表示が可能。
詰口年月日について

自主基準及び任意基準にて充填した年月日を容器本体に明記。
※沖縄県酒造組合は、規約変更に伴い、平成27年8月1日以降の1年間は、「瓶口年月日」を表示していこうという意向を泡盛メーカに伝えている。

市場においては旧基準の古酒表記と新基準の古酒表記の商品が混在することが予想されるが、瓶口年月日(充填した日)が平成27年8月1日以降になっているかを目安に判断することができる。


焼酎のラベル表示に関わる法律・基準

焼酎はさまざまな種類、法律・基準が非常に複雑に絡んでいます。焼酎のラベル表示を理解するために5つの法律・基準を理解することをポイントとします。

地理的表示に関する表示基準

産地 基 準
壱岐
米麹及び、長崎県壱岐市の地下水(以下「壱岐の地下水」)を原料として発酵させた一次もろみに麦及び壱岐の地下水を加えて、更に発酵させた二次もろみを長崎県壱岐市において単式蒸留機を持って蒸留し、かつ、容器詰めしたものであること。
球磨
米麹及び、球磨川の伏流水である熊本県球磨郡または同県人吉市の地下水(以下「球磨の地下水」)を原料として発酵させた一次もろみに米及び球磨の地下水を加えて、さらに発酵させた二次もろみを熊本県球磨郡または同県人吉市において単式蒸留機をもって蒸留し、かつ、容器詰めしたものであること。
琉球
米麹(黒麹菌を用いたものに限る)及び水を原料として発酵させた一次もろみを沖縄県において単式蒸留機を持って蒸留し、かつ、容器詰めしたものであること。
薩摩
米麹または鹿児島県産のさつまいもを使用したさつまいも麹及び鹿児島県産のさつまいも並びに水を原料として発酵させたもろみを、鹿児島県内(奄美市及び大島群を除く)において単式蒸留機をもって蒸留し、かつ、容器詰めしたものであること。
白山
白米、米麹及び石川県白山市の地下水、またはこれらと醸造アルコールを原料とし、石川県白山市において発酵させ、こし、かつ、容器詰めしたものであること。ただし、白米、米麹に用いる原料米は、農産物検査法に基づく農産物規格規定に定める醸造用玄米の1 等以上に格付けされたもので、かつ精米歩合70%以下のもの、麹米の使用割合20%以上のものに限る。酒母は、「生酛」山廃酛」または「速醸酛」とし、もろみは、「増醸」「液化仕込み」を除く。

甲類焼酎の場合

1.「連続式蒸留焼酎」の例外表示 06-4.jpg

「連続式蒸留しょうちゅう」の場合、旧酒税法で呼んでいた「焼酎甲類」あるいは、「ホワイトリカー」、「ホワイトリカ1」という例外表示が認められます。

2.原料表示 06-4.jpg

原料の表示が義務化されて、もろみの段階で、使用割合の多い順に記載が必要になります。また、蒸留後、砂糖を加えた場合は「砂糖添加」と表示しなければなりません。添加物を使用した場合は、食品衛生法規則と同様に表示が必要です。

3.貯蔵容器の表 06-4.jpg

木製容器に貯蔵し、その特色を有する場合、「樽貯蔵」などの表記が可能です。木製容器以外の場合、1年以上貯蔵したものに限り、「貯蔵」の表記が可能となります。

4.貯蔵割合の表示 06-4.jpg

貯蔵を表示するには使用割合を併記が必要です。使用割合が50%以上の場合は使用割合表示を省略が可能です。特定の容器に1年以上貯蔵したものは容器名を併記する場合に限り、貯蔵年数を表示できます。3 年以上貯蔵したものは「長期貯蔵」と表示します。

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