クニちゃん
茶道も、「今の瞬間に集中する」というマインドフルネスという考え方に通じるって聞いたんだけれど、どういうことなのかしら。


酒仙人
おぉ、「マインドフルネス」と茶道との関係については「CHAHANAちゃん」が詳しいから、またまた教えてもらおうではないか。それでは、CHAHANAちゃんよろしくの~!

CHAHANAちゃん

こんにちは。6月に続いてまたお呼びいただいてうれしいです。それではご説明しますね。

四季折々の彩りあふれる日本の風土だからこそ生まれた独特の日本文化があります。たとえば、茶道や華道、香道などには、常に四季の気配を感じ、今の瞬間を捉える仕組みが散りばめられています。今を捉えようとすると自ずから集中し、五感をフル活動するようになるのです。まさにこれは「マインドフルネス」の考え方ですね。

五感を刺激する要素はさまざまありますが、たとえば「音」。畳を歩くときの足さばきの音。ふすまを引いて茶室に入るときの衣擦れの音。お道具が畳に置かれたり、動かされたりする微かな音。釜の湯が湧いている、湯気の音。そして、何より亭主が茶碗に湯を注ぐときの流れる音。それは清々しい水の流れる音です。

興味深いことに、亭主も客もそれらの音を真剣に聞き入り、むしろそれを楽しみにしているのです。
今を捉えて瞬間を逃さない。それは小さな畳の部屋で過ごしているのに、まるで山奥から川がながれ、田に水が注ぎ、何かが実るような光景が心の中にふわりと呼び起こされる感じがあるのです。

道具がすべて自然素材だからということもあるでしょう。茶室の「音」はすべて微細です。五感の聴覚を研ぎ澄まさなければ、逃してしまう。ほんの少しの物音で聞き逃してしまうほどの小さな音です。でもそれらの音は、聞いている私たちを確かに自然風景の中に誘ってくれるほどのパワフルさがあるように思います。

音を体感しているうちに、時間は流れクライマックスで登場するのがお茶です。気持ちも高揚し、お茶の味を堪能できる身体が出来上がるのかもしれません。全身全霊でお茶を飲む。丁寧にいれられたお茶は格別な香りで、すっと身体になじみ、おいしく感じられるもの。CHAHANAの茶道歴は浅く、おこがましいのですが、お茶を丁寧にいれる過程を全身で感じ、その上でたった一杯のお茶を全霊でいただくことを楽しんでみてください。きっといつもと違う何かに出会えることでしょう。

■参考 『利休聞き書き 南方録覚書』講談社学術文庫


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